2013年7月21日日曜日

馬氏、与党・国民党主席に再選:台湾 求心力の回復課題に



●20日、主席選挙を受け記者会見する馬主席(国民党本部)


日本経済新聞 電子版 2013/7/20 23:51
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM20020_Q3A720C1FF8000/

 馬氏、与党・国民党主席に再選 台湾
求心力の回復課題に    



 【台北=山下和成】台湾の馬英九総統は20日、与党・国民党の主席選挙で再選を果たした。
 任期は4年で、引き続き党の「顔」となる。
 だが総統として昨年以降に打ち出した増税などの政策に住民が反発し、馬総統や国民党の支持率は低空飛行が続く。
 2014年以降の地方首長の選挙などをにらみ、求心力の回復が課題となる。

 主席選の立候補者は馬氏一人で、事実上の信任投票となった。
 馬氏の得票率は91.85%で、同じく馬氏への信任投票だった09年の前回選挙の得票率94.18%を下回った。

 馬氏が党主席に選任されるのは3度目。9月29日の党代表大会で正式に就任する。
 馬氏は台北市内の党本部で開いた記者会見で、今後の抱負として「党内改革や人材育成、今後の選挙の準備をしたい」と強調した。

 馬氏は12年1月の総統選で再選を果たした後、課題だった電力料金の引き上げや個人投資家の株式売却益の課税など「不人気」政策を相次ぎ実施した。
 これに住民が反発し、足元の各種の世論調査で馬総統の支持率は10%台に低迷している。
 国民党の支持率も低下続きで、最大野党・民進党との差がじわりと縮まっている。

 外交面では今年4月の日本との漁業協定や、今月10日のニュージーランドとの自由貿易協定(FTA)を相次いで締結するなど一定の成果を挙げたが、支持率の上昇にはつながっていない。
 国民党内でも馬氏への批判が高まっており、主席選では得票率の低迷が懸念された。
 結果的には9割超を獲得して何とか面目を保ったが、今後の党勢の回復は容易でない。

 台湾では14年末に台北市など22の主要な地方政府の首長選挙が控える。
 16年の総統選の前哨戦として注目されるが、国民党内では「この低支持率が続いては勝てない」との危機感も出始めている。
 馬氏はまず総統として景気回復などで早期の成果を打ち出すことが、党勢の回復の近道となる。





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